Bitter Sweet Kiss
そして、その手をハンドルを握っている彼の手に重ねたの。

自分でもそんな行動に出たことに驚いた。
でも止められなかった。

そんなわたしにカイ君もちょっとだけビックリしたような顔をしたけど。


すぐに表情は緩んで、

「ミルクチョコの話も、今日のこともミトにしか話してない。苦しくて、オレってこのまま死んじゃうのかなって思ってたら……オマエの声が聞こえてきた」

静かに言ってわたしの手を握り返してきた。


長い指がしなやかに動いて胸が騒ぎ始める。
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