Bitter Sweet Kiss
そしてそれは、ファーストキスを経験した数日後のことだった。
こんなことが起きるなんて、あの夜は当然ながら思っていなかったの。
登校してすぐに感じた違和感。
教室へ入ったわたしに注がれた冷たい視線とヒソヒソ話。
男子の数人がニヤつきながら「ヒュー」なんて声を出した。
いったい、なに?
注目を集めてることに、いつもと違う空気に、戸惑いながら席へ向かうと。わたしの机の上に置かれてる数枚の写真に気がついた。
そして、それを見下ろして立っているユウちゃんがゆっくりと振り向いて ――
恋をすることは悪いことじゃない。
好きだって想うだけで、あんなにうれしくもなったのに。
でも、どうして?
誰かを傷つけるなんて思いもしなかった。