Bitter Sweet Kiss




「あら、カイちゃん。お帰りなさい」


リビングへ入ると、いつもの穏やかな笑顔が出迎えてくれた。


「ただいま」

「病院は?」

「行ってきたよ」


言いながら、顔の横で薬の入った袋をふるオレ。


「いつもの病院?」

「うん」

「お父さんの病院には、行くつもりないの?」


“お父さん”っていう単語に吐き気を覚える。

だけど、遠慮がちに尋ねてきたキョウコちゃんの表情が、ちょっと痛い。
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