Bitter Sweet Kiss
「ユウちゃんもサユミちゃんも……あの、わたしね ―」

「もういい!!」


全部話そうって思ったのに、ユウちゃんは吐き捨てるようにそう言って背中を向け早足で去っていく。


「ユウちゃん待って!」


慌てて追おうとしたわたしだけど

「ミト、放っときなさいよ!」

サユミちゃんに腕を掴まれて、その場に立ち尽くしたんだ。


だけど午後からの授業を受けながら思ったの。
あの時、ユウちゃんを追ってちゃんと話しておくべきだったって。

それができなかったのは、わたしが臆病でやっぱり意思が弱いせいなんだよね。


< 266 / 351 >

この作品をシェア

pagetop