Bitter Sweet Kiss
「ただいま」
玄関で靴を脱ぎそのまま二階へ上がろうしたわたしに、リビングから顔を出したお母さんが声をかけてきた。
「ミト、ちょっと話があるの」
今日はとても疲れていた。
心の底から疲労困憊していた。
クラスメイトも他のクラスの人達も、上級生からも、視線が突き刺さるように漏れ聞こえる噂話も痛くて。
そしてユウちゃんともあれ以上話せなくて、話しかけようとしたんだけど聞いてもらえなくて辛かった。
サユミちゃんはわたしの側にいて、わたしのことを悪く言う人に言い返したりしてくれたけど、ユウちゃんに対しての文句も多くて胸が痛くなった。
カイ君への想いを、何度か会ったことも言ってなかったわたしが悪いのに、ユウちゃんとサユミちゃんがケンカするなんて。
それがなによりつらくて痛かった。