Bitter Sweet Kiss
「今日はどうしたんだよ?」
気づいたら真横に立っていたリョウさん。
片側の口角のみを持ち上げて薄く笑い、隣のスツールに腰をかけた。
「おつかれっす」
オレはリョウさんに何も持っていない手で乾杯の仕草を向けた。
「なんだよ。飲んでねーの?」
海外モノのビールにリョウさんが口をつける。
「まぁ、ちょっと病んでるんで」
「頭がか? いまに始まったことじゃねーだろ」
言いながらテーブルにビンを置いて、あごヒゲをさすった。