Bitter Sweet Kiss
眠れない夜を繰り返し、日の出と共に愛車のロックを解く。

そのうちコイツだって返さないとね。

そのボディを軽く撫でつけてから中へ乗りこんだ。


別に反発し続けていこうなんて思っちゃいないよ。そこまでオレだって幼稚じゃないし。

ただ頭ん中の整理ができないだけ。


ガキの頃は、やるせない感情のはけ口が見つからなくて、ただ自分の中で消化されるのをひたすら待った。

待っても待っても蓄積されるばかりで溢れそうになると、誰かのせいにしてた。

目の前でジャマをするヤツには暴力で。
胸の中に残った傷は、あの人のせいにすることで逃げていたんだ。
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