Bitter Sweet Kiss
いつもこんなハイペースで飲むのかな?
いや、たぶん違うだろう。

住んでるマンションが同じってだけの仲だから、普段の彼女のことは知らない。

だけど高級ワインをガブガブと飲み干すナツミさんを目の前に、さすがのオレもたじろい気味になる。


「なんかありました?」

尋ねても何も答えない。
ただ薄く笑うだけ。

そして彼女はオレにも赤い液体を勧めた。


寝不足とその他諸々の要因のおかげで、ちょっと疲れていた。

それにもとからアルコールには弱いもんで。今夜は特に可笑しなほどに飲まれていったんだ。

時間が経つほどに胃が痛んで咳が増え、気道が鳴いた。
< 302 / 351 >

この作品をシェア

pagetop