Bitter Sweet Kiss
「そんなこと言って、カズ君と別れた日にウチへ来て泣き喚いてたのは誰!?」

「ユウコだってサユのこと言えないでしょ。カイ君がいなくなったって時、悲惨な顔してたじゃない?」

「悲惨ってなに!? サユなんてメイクが剥げてホラーだったじゃん!」

「ホ、ホラーッ!?」


向かいあって言いあう2人。


「ちょ、ちょっとサユミちゃんもユウちゃんも、もうちょっとでベル鳴るよ?」


言いながらネットにつけていた背中を離し2人より先に歩きだした。そしたらね、声を揃えて2人が言ったの。


「なんかミトって」「ミットンって」

「なに?」と振り返ると「変わったよね~」って頷きあってる。

「またそれ~?」


小さくため息をこぼして、わたしは階段へ向かって歩きだした。
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