Bitter Sweet Kiss
[“Mito side” of 20yo]




改札を抜け、人ごみに紛れる。

そして駅を出てわたしは深呼吸をした。

懐かしい街のにおいは心が和むばかりじゃなくて。ほんのちょっとだけ胸がキュンとする。

それは何かに似ている。

こそばゆいような、それでいて切ないような……。

季節が巡るたび、この街へ帰ってくるたびに感じるの。


新しくできたビルや、いつの間にか閉店してしまったお店。

景色は変わっても、この感覚はいつも同じなんだ。


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