Bitter Sweet Kiss
「あら、もうこんな時間。そろそろ空港へ行かなきゃ。
ミト、ヤマトを迎えに行ってきてよ」

「えー。 電話したらいいじゃない?」

「さっきしたのに出なかったの。いつもの場所にいるはずだから」


言いながらはずしたエプロンを無造作に丸めて、お母さんはキッチンを出ていった。

仕様がなく重い腰をあげるわたし。

わたしだって久しぶりに帰ってきたっていうのに。

ちょっと愚痴ってみたけど、誰が聞いてくれるわけでもなく。仕方なく玄関へ向かって歩きだした。


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