Bitter Sweet Kiss
土手下のサッカー場。
ヤマトはやっぱりここにいた。
「ネーチャン、おかえり」
「ただいま」
家から持っていったタオルを差しだしたのに、
「あるからいいよ」
と言って芝生の上のバッグへ駆け寄った。
すれ違う時に鼻を掠めた男臭さに少しだけ戸惑ってしまう。
高1になったヤマトは最近特にぐんと大人びてきて。ついでに生意気にもなった。
昔はあんなに甘えっ子だったくせに。身長だってとっくに追いこされたし。