Bitter Sweet Kiss
木の葉を風が揺らす。
芝生のにおいを懐かしく思った。
仕事が忙しくて、キョウコちゃん達のご要望にはなかなか応えられないけど。それでも暇があれば実家には帰ってきている。
だけどこの場所を訪れたのは、地元を飛びだしてから初めてかもしれない。
自分で納得できるまではしたくなかったんだ。
思い出を辿る……なんて、そんなアホみたいなマネをさ。
だって諦めたわけじゃないから。
あの頃のオレからの卒業 ――
まずはそれが目標だったんだ。