Bitter Sweet Kiss
えっ どうしよー!

確かカズ君の友達は2人来るはず。

ってことは、つまり……絶対ムリ! そんなのムリムリ!!

知らない人と隣同士に座るなんてわたしにはできないよ。

サユミちゃんとユウちゃんには悪いけど、来てしまったことを後悔した。
いまさらだけど、帰りたくてたまんなくなってる。


「ダイ、根岸はー?」

カズ君の声がして、ダイと呼ばれたユウちゃんの隣の彼が答える。

「あのヤロー、合コンが入ったんだって」

そしてサユミちゃんが次に放った言葉にわたしは安堵した。それはもう心から。

「ミト、ごめんね。相手が来ないらしいの」


わたしにとっては全然『ごめんね』じゃなくて、むしろホッとしたの。涙がでるくらいに。

ホントに良かったって胸を撫でおろしていたのに……。
< 56 / 351 >

この作品をシェア

pagetop