Bitter Sweet Kiss
「いやぁーマジで助かっら~。恩にきるよカズト君!」


ガラッとドアを開けてなんの躊躇もなく乗りこんできたその人は、ヘラヘラと笑いながらみんなに挨拶をした。


「おっ カズトのカッノジョー♥ お久しぶりぶり~♪」

「カイ君、いいかげんサユの名前覚えてよー。
それにそんなゴキゲンでどうしちゃったの?」


「アレレレレ~! そこにいらっしゃるのはダイブツ様れすか?ダイブツ!こんなとこでなにしれんらよぉ?」

「誰がダイブツだよ。ナル、おまえこそそんな酔っぱらって何してたんだ?」

「酔ってなんていれーよ! オレはぁ、キョウコちゃんとメシ食ってぇ、そんれキョウコちゃんをタクシーに乗せてあげれぇ、それから飲み行っれぇ……ってあれっ? ダイブツー、その子ダレ?」


たぶん、ユウちゃんのことを言ってるんだろう。ヘナヘナっと前の席に腰を下ろした彼の頭が揺れている。
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