Bitter Sweet Kiss
「サユミの友達がカレシ欲しーんだって。そんでダイと根岸を紹介しよーってことで…」


何してたんだ、って尋ねたらハンドルを握るカズトがそう答えた。


「なんだよオマエらー。そんなイイことしよーってときに、なんでオレを誘わないかな? ダイと根岸で、なんでオレじゃないわけ?」

「ナルは相手に不足してないだろーが!」


ダイのヤツ、なにをムキになってんだよ。
そんな態度なら、明日から本気で大仏って呼んでやる。


「な~んら。オレだけ1人かよっ」


吐き捨てるように言って何気に後ろを見た。そしたら ――


「ちゃんといるじゃん」


顔はよく見えない。
でもとにかく顔が小さくて華奢なシルエットが目に映ったんだ。
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