Bitter Sweet Kiss
オレがほぐしてあげよっか?
心もカラダもさ。


「………」


対向車のヘッドライトだろうか。

照らされたその子の顔、怯えきった瞳がスローで流れるみたいに見えたんだ。

直感が悟る…………マズった。

これは、その場のノリなんて通じないタイプでしょ。
いきなり泣いたりするんだよな。

そういうのマジかんべん。
だからさ、解放してやろうと思ったんだ。

けど。


「あ」


鈴の鳴るような頼りなげな声が、すぐ近くで言った。
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