Bitter Sweet Kiss


「ヤマト、ほら 早く食べちゃいなさい。
ミト、玉子もちゃんと食べるのよ」


家族3人で囲む食卓。

月曜の朝はいつもよりせわしなく感じる。

そしてわたしは、なんとなく落ち着かないでいた。

その理由は、この胸にある恋心を自覚してしまったせいだと思う。

“たぶん、ひとめ惚れ”だったものが、“好き”に変化した。

考えるほどにそれは、大きく膨らんでいくの。

だから特にお母さんとは目が合わせづらくて。
そんな娘の些細な変化にも気づいてしまうんじゃないかって、ちょっとこわいから。
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