Bitter Sweet Kiss
「カイ君ねぇ~」

難しい顔をしてつぶやいたサユミちゃん。そしてポツリとこう続けた。

「カイ君はたぶんムリ」

「なんで? カノジョいるの!?」


身を乗りだしたユウちゃんの不安げな顔。こんな彼女を見るのは初めてだ。


「たぶん……いない、と思うけどぉ」

「じゃあ、なんでよ!?」


って今度は一変、怒り顔のユウちゃん。
だけどサユミちゃんは淡々と答えたの。指でクルンと巻かれた毛先を弄びながら。


「特定のカノジョはいなくても相手に不自由してないっていうかぁー。いっつも違う女と遊んでるってカズ君言ってたしぃ。
サユは無理だと思うわよ。だからやめとけば?」

「なんなの、それ。いきなりムリとか言わないでよ!」


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