Bitter Sweet Kiss
よいしょ、なんて顔に似合わないことを言って、隣の芝生に腰をおろした彼。

目を見開いたままのわたしを不思議そうに見てから、それからあのまばゆい笑顔を見せたんだ。


………カイ君 ――。


頬を撫でていく初夏の風が流れを変えたように感じた。

どうして?
どうしてカイ君が、ここにいるんだろう。


昨夜、ちょっと眠れなかった。

明日は日曜日で、わたしはヤマトのサッカーの応援。
そしてサユミちゃんたちは、みんなで海までドライブ。

カイ君も、カイ君が好きなユウちゃんも……

そんなことばかりが頭をめぐって、なかなか眠りにつけなかったんだ。
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