Penalty★Game
危険な雰囲気を察知したのか。
それとも。
この後の黒沢からの攻撃を回避するためか。
いっち、かけチャン、里佳は。
これから食べるはずだったパンやらお弁当やらを抱え。
気配を消していつの間にかいなくなっていた。
鬼ーッ!!
悪魔ーッ!!
人でなしーッ!!
逃げるなら私も連れてけーッ!!
なんて。
そんな私の心の叫びなんて届くはずもなく。
「…さて、花チャン」
「…なんでしょうか」
イヤな予感しかしない。
目の前にはわざとらしく笑みを浮かべる黒沢がいて。
…逃げられるわけがない。
そうだ。
私を置いて逃げた罰だ。
黒沢に全部暴露して、いっちたちも巻き添えにしてやろう。
そう決めて、言葉を発しようとした。
その時。
私の言葉を遮るかのように。
黒沢が言葉を発した。