Penalty★Game
「いっちたちに何言われた?」
黒沢はわざとらしく。
“悪魔の微笑み”を私に向けてくる。
いーやーッ!!
助けてぇー!!
黒沢の本性を知らなければ。
間違いなくときめいてたと思う。
でも。
私は知ってる。
黒沢のあの笑顔は“笑ってる”んじゃなくて。
“ろくでもないコトを考えてる”だけだって。
さっきまでは腹括って、なんて思ってたけど。
無理デス。
いっちたち巻き添えにする前に私が危ない。
やっぱり。
黒沢には話せない。
背筋に走る悪寒を感じながら。
黒沢から視線を外した。
「大したコトじゃ…ぶッ?!」
「だったら目ェ逸らす必要ねぇだろ?」
片手で私の両頬を掴んだ黒沢が目の前に迫ってくる。
だーかーらッ!!
悔しいけど、黒沢カッコイイんだって!!
ドキドキしたくなくても反応しちゃうんだって!!
そんな近くに来られたらパンクしちゃうよ!!
でも当の本人黒沢は。
私がそんなことを思ってるなんて1ミリも考えもしてないだろう。
私の頬を掴んだまま。
顔をどんどん近づけてきた。