Penalty★Game
そして。
音もなく寄せてきた自身の長い指先で。
私の頬をスッと撫でた。
「お前と俺、つきあってんだから“そーゆーコト”しててもいいんじゃねぇの?」
ドキドキしたくないのに。
なんでドキドキしちゃうんだろう。
黒沢が一般的に言うイケメンだから?
私が恋愛慣れしてないから?
「…花」
不意に呼ばれた名前が。
普段と違って聞こえる。
そして。
黒沢は身を乗り出して私の耳元で小さく囁いた。
「…キス、しよっか?」
もう、コレは重症だ。
黒沢の声が甘く聞こえる。
冷めてきた身体に、また熱をもたらす。
「花…」
黒沢がもう一度私の名前を囁いて。
耳元から顔を動かした。
そしてそのまま。
私の顔に影を落とした。