Penalty★Game
「新しくできたパン屋サンのソフトクリーム美味しいらしいよ」
「何でパン屋でソフトクリーム?」
「知らない」
「ふーん。…で?行くの?」
「黒沢のおごりなら」
「…図々しいな」
なんだかんだ言いながらも。
黒沢と一緒にいるのも慣れてきたせいか。
楽しくなってきてる自分もいた。
「あ、なかなかいけんじゃん」
「んーっ。うまっ」
黒沢はバニラ、私はミックスを頼んだ“美味しい”とウワサのソフトクリームは。
期待を裏切らない美味しさだった。
「ミックスとか邪道だ、邪道。やっぱバニラだろ」
「うるさいなぁ。1つで2個分美味しいんだから得した気分になるじゃん」
「混ざってチョコレート風味のバニラになるのがオチだ」
「ほっといて」
美味しいんだから黙って食べればいい。
せっかくのソフトクリームが溶けちゃうじゃん。
…なんて思っていたら。
「…あれ?」
すれ違いさまに。
女の子が振り返った。