Penalty★Game

でも。

それに気付いた黒沢が。

距離を取りかけた私の腕を掴んだ。





「花、どした?」

「…別に」





聞き慣れてるはずの黒沢の声にイラッとする。

私の腕を掴んでる手にすらイラッとする。





なんなんだろう。

このイライラは。

なんでこんなに、イライラするんだろう。





黒沢が声かけられるなんて普段からあること。

それでも。

こんなにイライラしたことなんかなかったのに 。





「花?」





それ以上何も言わない私の顔を。

腰を少し屈めて覗き込んでくる。

でも。

覗き込まれても名前を呼ばれても。

何も言う気になれない。





俯いて黒沢の視線から逃れようとしてる私の存在を無視するかのように。

歩美はまた黒沢に話を振った。





「そう言えばさ、罰ゲームジャンケンってまだやってんの?」




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