Penalty★Game

「あ、そうだ」

黒沢がゴソゴソとケータイを出してきた。





「…ん?」

「“ん?”じゃねぇよ。ケータイ出せ」





ケータイ?

なんで?





頭の上に“?”をいくつも浮かべた私に。

黒沢がため息を吐きながら言った。





「赤外線。アドレスとケー番交換すんの」





あ、なるほどね。

赤外線かぁ。





納得した私は。

ブレザーのポケットからケータイを取り出した。





ケータイの画面を見ながら。

“フッ”と唇の端っこを持ち上げる黒沢。





…その不敵な微笑みになぜか悪寒が走った。





そして黒沢は。

私のケータイを手にとると赤外線通信を始めた。





「…ん、できた。俺のも送っといたからな」

「あ、りがと…」





パタン、とケータイを閉じると。

黒沢は自分のケータイをポケットにしまい。

私にケータイを返してくれた。



 

< 13 / 202 >

この作品をシェア

pagetop