Penalty★Game
手に持っていたソフトクリームが指を伝う。
ヒヤッとした心地よい感覚じゃなくて。
生温くて、あまりいいもんじゃない。
それでも歩美は黒沢に話しかけ続ける。
「それでさー」
もう。
ホントにイライラする。
そんなに話したいなら、私のいないトコでやってくれないかなぁっ!!
なんて。
ボリュームMAXで叫びたくなったその時。
「悪いけど、もう行くから」
腕を掴んだままの黒沢が。
歩美の言葉を遮る。
そして。
私が持っているソフトクリームを見て苦笑いを零した。
「とりあえず手、洗いに行くか」
「…え…あ、うん…」
そう言って黒沢は私の手を引いて。
歩美に背中を向けて歩き出した。