Penalty★Game
昼休みが終わっても。
5時間目が始まっても。
私の熱は冷めることがなかった。
隣の席の黒沢が視界の端で動くたび。
私の心臓も動きを増す。
視線に気付いてか。
時折こっちを向く黒沢と目が合うたび。
私の心臓は跳ね上がる。
跳ね上がると同時に、背中の方から熱くなってくる。
シャーペン持ってるあの指。
“ホントの彼女”にはどうやって触れるんだろ。
襟元からチラチラ見え隠れしてる首のラインが。
なんだか妙にいやらしい。
黒沢って。
爽やかだけど甘い匂いがするんだよね。
つけてる香水のせいなんだろうけど。
なんて香水なんだろ…。
そんなことを考えていたら。
「…ッ!?」
ポタポタポタ。
真っ白なノートに真っ赤な花が咲いた。