Penalty★Game

昼休みが終わっても。

5時間目が始まっても。

私の熱は冷めることがなかった。





隣の席の黒沢が視界の端で動くたび。

私の心臓も動きを増す。

視線に気付いてか。

時折こっちを向く黒沢と目が合うたび。

私の心臓は跳ね上がる。

跳ね上がると同時に、背中の方から熱くなってくる。





シャーペン持ってるあの指。

“ホントの彼女”にはどうやって触れるんだろ。

襟元からチラチラ見え隠れしてる首のラインが。

なんだか妙にいやらしい。

黒沢って。

爽やかだけど甘い匂いがするんだよね。

つけてる香水のせいなんだろうけど。

なんて香水なんだろ…。





そんなことを考えていたら。





「…ッ!?」





ポタポタポタ。

真っ白なノートに真っ赤な花が咲いた。



< 137 / 202 >

この作品をシェア

pagetop