Penalty★Game
…勝負…?
って、ひょっとしなくても“アレ”ですか?
私の疑問に答えるかのように。
黒沢は言葉を続ける。
「俺が勝ったら鼻血の理由、聞かせろよ」
唇の端っこを持ち上げると。
また意地悪そうに目を細めて薄笑いを浮かべた。
…黒沢め。
そんな鼻血の理由くらいで勝負ふっかけてこないでよ。
その前に。
ホッペ掴んでるその手を離してもらえないかなぁッ!?
なんて思ってるうちに。
黒沢は私の頬を掴んだまま。
空いているもう片方の手で握りこぶしを作って前に差し出した。
「…じゃ、いくぞ。
さーいしょーはグー、ジャンケン…」
耳を通ったその言葉に。
私も慌てて手を前に差し出した。