Penalty★Game
「…でもさぁ。俺っつー彼氏がいるのに、他の男の想像するとか。ちょっと失礼じゃね?」
いつもより少し低く聞こえる黒沢の声が耳を通る。
…いやいや。
“彼氏”って…アナタ、(仮)ですから(仮)。
わかってます?
そう言いたいけど…。
なんか、イヤな予感が…。
背中を走る悪寒にまだ見ぬ恐怖を感じながら。
私は黒沢から顔を逸らした。
そして。
その“イヤな予感”が間違ってはいなかった。
そう感じ、そして逃げ出したくなったのは。
前にも嗅いだことがある。
黒沢の甘い香りが鼻を掠めたときだった。