Penalty★Game

ドキドキを通り越してバクバクと派手な音をたてて動く心臓を。

どうしていいのかわからない。

熱くなる体を。

どう冷ませばいいのかわからない。





お、落ち着け私!!

落ち着かないと、また鼻血が出るってば!!





さっき鼻に綿を詰められた感覚が鮮明に蘇る。





どうせからかわれてるだけ。

慌ててる私を見て黒沢は楽しんでるんだ。

いつもそう。

そうだよ、うん。

だから。

落ち着け…。





ゆっくりと近づいてくる黒沢の唇。

その唇からいつものように。

「なぁんてな。本気にすんなよ、ばぁか」

なんて。

そんな憎まれ口を叩かれるのを待ちつつ。

少しでも早く。

この倍速に動く心臓を元に戻そうと深呼吸をしようとした。





その時。





「……………ッ!?」





深呼吸をしようとした私の唇と。

近づいてきた黒沢の唇の距離がなくなった。



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