Penalty★Game

「熱はないみたいだけど…少し休みなさいね」





お母さんは私のおでこにあてていた手を離すと。

頭に“ポンポン”と手を置いて部屋を出ていった。





耳を済まして。

お母さんが階段を降りていく音がしたのを確認すると。

私はベッドの上に仰向けで大の字になった。





…誤算。

お母さんの仕事が休みだったなんて。





玄関を開けたら、予想外のご対面。





「花?どうしたの?」





まさか。

仮病使って帰ってきました、なんて言えなくて。

どう言い訳しようかと頭グルグル。

そしたら黒沢とのことを考えてて熱くなってた顔を。

「顔赤いけど熱でもあるの?」と勘違いしてくれた。





お母さん、ゴメンナサイ…。





少なからずウソをついてしまった罪悪感はあるものの。

やっぱり頭の中は黒沢とのことでいっぱいだった。



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