Penalty★Game
「んじゃ“ゲーム開始”ってコトで…。
一勝負しとく?」
“フッ”と唇の端っこを持ち上げて。
不敵な笑みを浮かべる黒沢。
「…望むところ…」
テーブルの下で“ギュッ”と拳を握る私。
…パシるかパシられるか…。
一世一代の大勝負。
…まぁ、それは大げさだけど。
でも“最初が肝心”でしょ?
ここで負けたら後引きそうだし。
絶対勝って“ビシッ”と決めてやる!!
「…じゃ、いくぞ。
さーいしょーはグー、ジャンケン…」
「「…ポンッ!!」」
…………………………。
目の前には2つの手。
見慣れた私の手のひらと。
私の手より一回り大きい手が作るVサイン。
「…初戦は俺の勝ち、ってコトで」
黒沢はニンマリ笑った。