Penalty★Game
「ん?」
黒沢は。
そんな私に気付くはずもなく。
自身の顔を傾けて、私の顔を覗き込んできた。
「…ッ!!」
ドクンッ。
心臓が大きく跳ね上がる。
と、同時に。
覗き込まれた顔が、一気に熱を持った。
「は、は、はなひてひょ!!」
「何言ってっかわかんねぇっつーの」
「はなひてッ!!」
「あー、はいはい」
クックックと声には出さずに笑う黒沢は。
面白そうに目を細めると、私の口から手を外した。
ドクドクドクドク…。
なんでこんなにドキドキしてるの?
なんでこんなに熱いの?
大きく跳ね上がった心臓は。
まだ早鐘を打つように動いてる。
いや。
まるで何かを警告するかのように。
その動きは身体中に響いた。