Penalty★Game
「…あーもーッ!!」
想像だと後れ毛が緩く巻かれてる。
現実は髪だけじゃない。
心の中までなんだかグチャグチャ。
鏡の中を覗くと。
そこには眉間にシワを寄せた私がいる。
元々そんなに器用なほうじゃない。
コテだって使い慣れてる、なんて言えるほど使ってない。
それなのに。
なんでこんなことしてるんだろ。
黒沢に会うだけだよね?
学校でも会ってるし、いつもどーりでいいじゃない。
そう思ってる自分もいるのに。
着ていく服を選んだり。
それに合わせて髪型考えたり。
そんなことにドキドキしてる自分がいる。
この服、キライじゃないかな?
こんな髪型なら「おッ!?」って思ってくれるかな?
そう。
“カワイイ”って思われたい私が。
ここにいるんだ。