Penalty★Game

私だって女の子だし。

特定の相手がいなくても。

“カワイイ”って思われたいのはフツーじゃない?





なんて。

言い訳のように思ってみるけど。

実際のところ。

黒沢のコトを考えて服や髪型を決めたんだよね…。

今日会うのも。

つきあうことになったのも。

“ペナルティー”なのに…。





私は。

身体の奥の“なにか”を吐き出すように。

息を吐き出した。





「…ホント、なにやってんだろ…」

「…鏡とにらめっこ?」

「違うよ。黒沢がねー…って、えッ!?」





私は独り言を呟いてただけだったはず。

だったのに。

その独り言への返答と、背後に感じた人の気配に。

私は慌てて振り返った。





「んなッ!?」

「よお」





振り返った先には。

さっきまで玄関先にいたであろう人物がいた。



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