Penalty★Game

…って。

喉から出かかったけど。

遅くなった私も私。

文句なんて言えた義理でもなく。

言葉をグッと飲み込んだ。





「…で?」

「はい?」





とりあえず早く用意しなきゃ…。





小さくため息を吐くと。

諦めてまた鏡に向かう。

すると。

鏡の中の黒沢が意地悪そうに口角を持ち上げた。





うっ、わ…。

なにこの悪魔顔…。

この顔を見せるときの黒沢は。

なにか良からぬことを企んでるトキだ。




何を言われるのか。

考えただけで背筋にツツッと悪寒が走る。





「なんだって?」

「な、何が…?」





目を合わせたままニヤリ、と微かな笑みを浮かべた黒沢は。

背後から私に近づいてきた。



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