Penalty★Game

「…ったく、仕方ねぇなぁ」





“プイッ”とそっぽを向いた私の横に立ち。





「こうやってやんだよ」





と。

構えを見せてくれた。

そして。

自分で構えながら解説までしてくれる。





「左の人差し指でマル作ってキューを支える。右手はあんま力入れないように」

「…こう?」

「うん、そう。そのまま肘から下動かすようにして打ってみ?」





そ、そんなこと言ったって…。

黒沢の言うように、構えてはみるけれど。

なかなかうまくいかない。





「むぅ…」

「ま、とりあえずやってみ?」





でも。

私の構え方があまりにも不格好だったのか。

“クックック”と肩を震わせ。

今にも笑い出しそうな口元を。

黒沢は手のひらで隠しながら。

“キュー”と呼ばれる棒を台に立て掛けた。



 

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