Penalty★Game
「いきなりごめんね」
「…大丈夫、です」
里佳たちから少し離れた中庭の端の方に。
私は連れてこられた。
このシチュエーション。
この流れに覚えがないわけじゃない。
呼び出し。
人気のないところ。
少しはにかんだ笑顔…。
これってやっぱり…。
「川村サンのこと、入学式の時から可愛いな、と思ってて。…よかったらつきあって欲しいんだけど」
…あぁ。
予想は外れてくれなかった。
「や、えっと…」
まず。
名前すら知らないのにつきあえるわけない。
もうこの時点でアウトなんだけど…。
なんて言って断るかな…。
いきなり言われても困る?
知らない人について行っちゃいけないって言われてるから?
変なこと言うと余計絡まれるかもしれないし。
“ゴメンナサイ”しかないよね。
「あの…っ」
「黒沢くんとの噂がホントでなければ、なんだけどね」
私が言葉を発するより早く。
彼が口を開いた。