Penalty★Game
「…あ…」
そうだ、忘れてた。
今の私。
黒沢とつきあってることになってるんだった。
でもさー。
(仮)だよ? ペナルティーだよ?
…まぁ。
どんな形であれ“つきあってる”んだから。
そう言っちゃえばいっか。
…どっちにしろ、断るんだし。
「あのね……ん゙ッ!?」
私が話し出すと同時に。
“スッ”と後ろから伸びてきた手のひらに。
口を塞がれた。
なにっ!?なんなのっ!?
誰よ、こんなことするの!!
振り向こうとしたけれど。
その大きな手の持ち主が言葉を発したから。
後ろにいるのが誰なのか。
わかってしまった。
「…俺の彼女になんか用?」
声だけでもわかる。
不機嫌丸出しの…黒沢だ。