Penalty★Game

そこに立っていたのは。

私とは頭1コ分は違う高い背。

柔らかそうな栗色の髪。

鼻筋は通っていて、薄い二重の切れ長の瞳。

誰から見ても“カッコイイ”部類に入るであろう人。





「……久しぶり」





……久しぶり、なんて言われても。

私にはこの人が誰だかわからない。





「なんだよ、覚えてねぇの?」





そう言って。

苦笑混じりに微笑んだ口元からは。

八重歯がチラリと覗く。





「……………!!」





この八重歯には見覚えがある。

…見覚え、というか。

忘れられない。





……ひょっとして……。





「……黒、沢……?」

「ご名答。よくできました」





そう言うと黒沢は。

私の頭を“クシャクシャ”とかきまぜた。



 

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