Penalty★Game

「ウチ、喫茶店だから。
そーゆーのは余所でやってくれる?」





後ろから突然現れた腕が。

パシッと音をたてて。

彼の伸ばしてきた腕を払った。





振り向くとそこには。





「かけチャン!?」





ちょっと動きづらそうに着物を身に纏ったかけチャンが。

不敵に、ニッコリと。

笑いを浮かべていた。





「休憩してこいって委員長が」

「あ…うん」





私と目を合わせたかけチャンは。

いつも私が見てるかけチャンと変わらなかったけど。

…このわざとらしいかけチャンの笑顔が。

脳裏に浮かんだ黒沢の悪魔の微笑みと重なって。

ちょっと背筋に悪寒が走った。





「で?ご注文は?」





クルン、と。

かけチャンが彼の方を向くと。

彼がビクッとして顔をひきつらせた。





「…いや、えっと…」





…かけチャンがどんな顔をしてたのか。

チラッと見えた気もしたんだけど。

見なかったコトにしてしまおう…。



 

< 81 / 202 >

この作品をシェア

pagetop