Penalty★Game
「ウチ、喫茶店だから。
そーゆーのは余所でやってくれる?」
後ろから突然現れた腕が。
パシッと音をたてて。
彼の伸ばしてきた腕を払った。
振り向くとそこには。
「かけチャン!?」
ちょっと動きづらそうに着物を身に纏ったかけチャンが。
不敵に、ニッコリと。
笑いを浮かべていた。
「休憩してこいって委員長が」
「あ…うん」
私と目を合わせたかけチャンは。
いつも私が見てるかけチャンと変わらなかったけど。
…このわざとらしいかけチャンの笑顔が。
脳裏に浮かんだ黒沢の悪魔の微笑みと重なって。
ちょっと背筋に悪寒が走った。
「で?ご注文は?」
クルン、と。
かけチャンが彼の方を向くと。
彼がビクッとして顔をひきつらせた。
「…いや、えっと…」
…かけチャンがどんな顔をしてたのか。
チラッと見えた気もしたんだけど。
見なかったコトにしてしまおう…。