Penalty★Game
緑が生い茂る人気のない裏庭は。
賑やかな校内とは違って。
この空間だけ異世界なんじゃないかって思うくらい。
ゆっくりと。
静かに時間が流れていた。
「…いた…」
その生い茂る緑の中。
私をこんなところに呼び出した張本人は。
ベンチに体を預けて。
木々の隙間から覗く空を見上げていた。
…よく見ると。
軽く目を瞑っているようにも見える。
ついでに口も半開きだったり。
でも。
そんなマヌケな姿でさえ様になってしまうんだから。
なんだか腹立たしい。
…鼻でもつまんでやろうかしら…。
なんて。
小さなイタズラ心を胸に秘め。
足音をたてないように近づいていくと。
「…寝てるトコ、襲うなよなぁ」
あと一歩。
そこまで近づいたところで寝ていたはずのヤツ…。
黒沢の目はパチリと開かれた。