Penalty★Game
前を歩いている里佳、いっち、かけチャンの3人の。
楽しそうに話をしている声だけが耳を通り抜けていく。
「え…?」
それは突然の出来事すぎた。
落とされた感触が。
黒沢の唇だってことに気付くには。
数秒かかった。
「な、な、な…ッ!?」
“何してくれてんのよ!!”って。
そう言いたいのに言葉にならない。
「ホントは“ご褒美”なんだから花から貰わなきゃ意味ないんだけど」
「はぁッ!?」
そう言って黒沢は。
もう一度同じ感触を落とした。
そして。
意地悪そうに唇の端っこを持ち上げ微笑んだ。
「…“初心者”の花にはハードルが高すぎんだろ?」
思わず手を充ててしまった頬が熱かったのは。
黒沢にバカにされたことが図星だったからか。
初めての感覚におかしくなっているからなのか。
自分のことなのにわからなかった。