峰岸の恋する宇宙-そら-(短編)
流れて落ちて…短い制服のスカートに染み込んでいくんだ。



峰岸、峰岸。



あたしには、見えない。



峰岸の宇宙…前を歩く峰岸の背中すら……。



自分の足元しか見えないよ。



峰岸………。



あたしは、峰岸の友達で居たい。



でもね、本当は気付いていたんだ。

自分で違うって思い込ませていたんだ。




峰岸、峰岸。




好きだよ。



好きだけど………友達。



峰岸は、誰の事も見てないから。


友達なら、近くに居れるかなって思ってたんだ。



宇宙しか見ていない峰岸。


宇宙に恋してる峰岸。



友達なら、少しは見てくれるって。


でも峰岸は、関東の高校を受けるんだね。


峰岸、絶対受かっちゃうよ。



頭いいもん。




あたし、嫌な奴だよね?


峰岸が高校、落ちればいいなんて考えてる。



落ちれば、関東に行かないから、なんて考えてる。


峰岸の理解者のフリして、汚い事考えてる。




泣くあたしを、心配そうに見つめる峰岸。


泣いてる内は、峰岸は宇宙じゃなくてあたしを見てくれる。


今だって…こんな事考えてるよ。
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