峰岸の恋する宇宙-そら-(短編)
「泣くなよ」


峰岸は優しい。

峰岸は明るい。

峰岸はかっこいい。

峰岸は友達、だけど。


峰岸が好き。


どうしようもない。


どうしようもないから、友達。

これからも、ずっと。

そうでしょ?峰岸。


「ねぇ、峰岸…」

峰岸へと、うつむいていた顔を上げた。


その瞬間………。



峰岸の顔が、瞳が、目の前にあったんだ。

スローモーションみたいに近付く峰岸の顔をただ見つめるあたし…唇に……峰岸の体温が伝わってきた。



峰岸…………キス…?


何で…どうして…。

峰岸…峰岸…。

「……ごめん」


離れた峰岸の唇からは、なぜか謝罪の言葉。

混乱する、あたしの思考。


何で謝るの?
わかんないよ。
謝るキスって何?
謝るなら、何でキスしてきたの?



でもなぜか、混乱しながらもあたしは高揚していて、信じられなくて……嬉しくて。

そのキスがどんな意味かなんて深く考えもしないで。

隣に座ってる峰岸と再び青い空を見上げながら、峰岸に握りしめられた手から、ドキドキしてる早い心臓の音がバレません様にと祈る事で精一杯で…。


隣に峰岸がいるってだけで良くて。
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