峰岸の恋する宇宙-そら-(短編)
張り裂けそうだよ。

離れている事がもどかしくて、この距離を…憎んでしまいそうだよ。

宇宙よりは、近いのに…ね?




あたしは、離れている距離を埋めたくて、何度も峰岸に手紙を書いた。

メールでは、書ききれない。

何より峰岸のそばに、あたしの存在を置いて欲しいから手紙を書いた。



学校へ行って、バイトをして、友達と遊んだりして…日常を過ごしながら、いつも峰岸を想ってた。


峰岸へ手紙を書く…それが、あたしの中の淋しさを埋める手段になってた。



一ヶ月に一度、手紙を出す。

峰岸から返事がくる。


いつの間にか、毎日ポストを確認する自分がいた。



出せない手紙も書いた。

好きって書いた手紙。

溢れ出しそうな想いを吐き出さないと、泣きそうだったから。



峰岸は勉強が大変で、夏休みと冬休みにだけやるバイトもあって、帰省して来なかった。


会いたい想いが更に募っていく。



その度に、出せない手紙が増えていった。


あたしの机の引き出しの中、出せない手紙と同じくらい、あたしの想いも溢れていった。



峰岸…。

峰岸……峰岸。



ねぇ……会いたいよ。
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