峰岸の恋する宇宙-そら-(短編)
また、一緒に空を見れるかな?


ねぇ、峰岸。
あたしは峰岸の事になると、こんなにはしゃいで、単純馬鹿になれちゃうんだよ。

おかしいね?


不思議だね?

合格して、東京に…峰岸のそばに行けるってなると、今まで淋しかった気持ちが、無かったみたいになる。

同時に、期待と嬉しさが溢れるんだ。


峰岸……早く会いたい。



合格通知を抱きしめるあたしに、お母さんが一緒に届いていたって手紙を差し出してきた。


………峰岸からの手紙だ。


すごい。

一緒に届いたなんて!
まるで峰岸が、合格を運んでくれたみたいだ。


一人で読みたくて、早く読みたくて。
手紙を胸に抱えて、二階への階段を一段ごとに抜いて登る。



峰岸からの手紙。

懸賞の当選ハガキなんか目じゃない。
嬉しすぎるよ。



“寒くなってきたけど、永山は風邪ひいてない?”


変わらない、峰岸。
優しい、峰岸。

学校の事、勉強の事、友達、親戚の家での事、宇宙の事。

変わらない峰岸に、安心。
そして、また好きになってく。


峰岸、あたしも伝えたい事があるんだ。

たくさんあるんだ。



峰岸、峰岸……。
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