峰岸の恋する宇宙-そら-(短編)

峰岸は、体調はどう？

遅くまで勉強してるから、峰岸の身体の方が心配だよ。


峰岸、峰岸。

勉強の合間に、峰岸は手紙を書いてくれているんだよね？

あたしに数分でも時間を作ってくれている事、嬉しいよ。



“ＰＳ 来年の正月はそっちに帰るから、会おうな”


…………峰岸？

帰って、来る……。



早くなる心音。

あたしは、ＰＳを読み返す。


“………帰るから、会おうな”




｢会おうな｣





ホントに？
ホントに帰って来る？


勉強とバイトがあるからって、ずっと帰って来なかった峰岸。



やっと会える？

会えるんだ。



峰岸に会えるんだ！


嬉しい！どうしようもなく嬉しい！


峰岸、峰岸！

会えるんだね？会えるんだね？



峰岸が帰って来る！



峰岸、峰岸。

きっと、また大人っぽくなってるんだろうね？



中学の時から、峰岸は他の同級生と違って大人っぽかった。

宇宙って目標を、ひたすらに持ち続けてる峰岸は、大人だった。



峰岸が帰って来る。



あたしは、カレンダーの１月２日のその日を、大きく赤丸で囲んだ。