峰岸の恋する宇宙-そら-(短編)
年末は、雪が降った。


それでなくても、あたしの住む東北は雪が多い。


学校の冬休みが長いのは、雪のため。


盆地だから、雪が溶けるのも遅くて、春も遅い。


31日の夜から降り続けた雪は、元旦になっても止む気配もなく、あたしの新年は、お父さんと弟と、玄関前の雪かきをする事から始まった。



被っているニットキャップが目にかかって、あたしは手を止めて直す。


空は曇っていて、低い位置からこの土地を包み込む灰色の雪雲は、意地悪なくらいに白い破片をあたしの上に落とす。


漏れたため息は、真っ白い水蒸気になって、寒さを思い知らせる。



明日は、峰岸が帰って来る。


忙しくて、3日の夕方には戻らなきゃいけない峰岸。

明日の午後、近くのバス停で待ち合わせした。


峰岸は、どんな風になってるかな?
今のあたしは、峰岸からどんな風に見てもらえるかな?


あたしも峰岸も、写メとか好きじゃないから、お互いがどう成長しているか知らない。



“俺は、中学から変わってないからすぐわかるよ”


昨夜、メールで峰岸は言ってた。


うん…峰岸はきっと、ずっと変わらないだろうね?
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